悲しい想い出は 忘れなくていいよ。 大切にしまっていたらいい。 前に進む勇気が 君にはあるはずだから。。
想い出「びわの生る家」
2010-01-04 Mon 23:59
9216174.jpg




「びわの生る家」



幼稚園に上がる前、和歌山に引っ越した。


そして小学校。
校区のはずれだったのか、とても遠かった。
大きな交差点には踏み切りがあった、てくてく歩いた。


途中にロシア人のおばちゃんが住んでいる家があった。
金髪で眼鏡をかけ、すこし太った、とても優しいおばちゃんだった。


大きな一本のびわの木があった。


びわの実が熟してくる頃、家の前で声をかけられ「びわ」を貰った、
とても優しい目をしていた。

優しかった・・
そして きっと 淋しかった・・

登下校の時間に いつも玄関に立ち 僕を 出迎えてくれた
格子戸はいつも開いていて 僕を迎え入れてくれた
びわの木も 僕が行くと 木の葉を揺らした・・

確か、ロシアのおばちゃんには子供が居なかった。
今考えれば、その質問がおばちゃんを傷つけていた。


子供のことを聞いたとき、とても淋しい目になった。


でも、僕には別の考えがあったのだ・・・


この人の子供になれたら・・・そう、思っていた自分が居た。
子供が家庭を自分で選べるようになったら、と・・・


不可能な夢や希望を胸にしまい込んだ。


今も時々「びわ」を食べると思い出す。

優しいロシアのおばちゃんの顔を・・
優しく澄んだ灰色の瞳を・・

そして、どうしても言えなかった言葉・・

「僕をおばちゃんの 子供に・・して・・」って




・・・・・・・・・・・・




小3 大阪に引っ越すことが決まった 

その日・・
真っ先に ロシアのおばちゃんの 家に行った

夏休みも もうすぐ 終わるころ・・

びわの木の葉が 風に揺れていた
格子戸は 閉まったまま・・

声 かけられなかった・・

どうしても 言えなかった あの灰色の大きな瞳から 流れる涙 見たく無かったから・・

小さな声で 言った

「ロシアのおばちゃん」って

その声は・・届くはずもなかった・・


もう ここに 来れないのかと思うと・・
涙が雫のように頬を伝って 流れた・・

歩いた 数歩・・
振り返った・・
ロシアのおばちゃんが 立っているような気がして・・


びわの木の葉が 風に揺れていた
僕に さよならと 言うように・・
手を振っているように 見えた・・



作品を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
いつも応援ありがとうございます。


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^追記
こんなこともあったなぁ・・と。
思い出しながら書きました。
自分の幼い時のことなのですが
ナィーブな少年だったように思います。

兄弟が多かったのに、仲の良かったのは上から三番目の兄が一番で・・
年が離れていたから、遊んでもらえなかったり
私の何故?に答えてもらえなかったりして

だから
大人になったら、私の子供や近所の子供たちが「何?何故?」と問いかけたら
絶対に答えてあげようと遊んであげようと・・
まだ小1ぐらいで考えていたような気がしますね。

だから?
野山に遊びに行っては、野の草や花に声をかけたり
緑のじゅうたんに寝そべって、雲に声をかけ風と話をした・・
そんなことを、今、思い出していました。

他の家庭の子供になりたい・・そんなことを考えていた
だからこそ、いい父親にだけはなろうと思っていた
そんなすこし変わった?幼児期の想い出です。。雫。。

この作品で使用している写真は画像素材「写真素材 [フォトライブラリー]」さまからお借りしています。
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コメント
こんばんは。切ない思い出…ですね。雫さんって兄弟がたくさんいらっしゃるんですね。知らなかったです。(私は3人兄弟の一番上です(爆))このおばちゃん、どうしてるんでしょうね…。

そういえば、私は小学校に入るときに埼玉に引っ越してきたのですが…。
私と妹は両親より早く家を出て祖父の家に行き、両親が引っ越しの準備をしていたとき、私の幼稚園の友達とその子のお母さんが入れ違いに来てくれたみたいでした。
泣きながら帰っていったんだよ、と引っ越しした後に母から聞かされた私はちょっと寂しい思いが心をよぎったのを覚えてます。

引っ越しって、家も変わりますけど、自分と関わる周りの人も変わってしまうんですよね。。

雫さん小さい頃から優しかったんですね。ロシアのおばちゃんの少し辛そうな顔を見て、子どもになりたいと…。そういう心が雫さんの詩に出ている気がします。

ではでは失礼します('-^*)/長々と失礼しました。。
2010-01-05 Tue 20:10 URL | 光藤 雫 #-[ 内容変更] | top↑
★ 光藤 雫 さんへ
> こんばんは。切ない思い出…ですね。雫さんって兄弟がたくさんいらっしゃるんですね。知らなかったです。(私は3人兄弟の一番上です(爆))このおばちゃん、どうしてるんでしょうね…。

コンバンハーヾ(・∀・`o)ノ))
はい、沢山居ますねww
でもね、ちょっと変則な兄弟たちなので複雑かもねww
三人兄弟の一番上なんだ、それも大変かもね。
何でも見本になるようにしないといけないのかも。

おばあちゃん、逢えるものなら逢いたいですね。
数年前に戻ったんですが、景色が変わってしまっていて・・
小学校のときはもっと幅が広かったはずの道路が
ものすごく狭くて、とても意外でしたね。
でもその時代に戻ったみたいで、とても懐かしかったですよ。

>
> そういえば、私は小学校に入るときに埼玉に引っ越してきたのですが…。
> 私と妹は両親より早く家を出て祖父の家に行き、両親が引っ越しの準備をしていたとき、私の幼稚園の友達とその子のお母さんが入れ違いに来てくれたみたいでした。
> 泣きながら帰っていったんだよ、と引っ越しした後に母から聞かされた私はちょっと寂しい思いが心をよぎったのを覚えてます。

そうなんだ、お別れの挨拶が出来なかったんだね。
それは悲しかったね。
手紙でも後で送ってあげたのかな?

>
> 引っ越しって、家も変わりますけど、自分と関わる周りの人も変わってしまうんですよね。。

全てが変わりますね。
ただ、私は幼稚園の時よりも、後の小3の時の引越しがいやだった。
友達も沢山出来ていたし、いいところだったから離れたくなかった。
でも、友達が新しく出来るまで・・かなww
>
> 雫さん小さい頃から優しかったんですね。ロシアのおばちゃんの少し辛そうな顔を見て、子どもになりたいと…。そういう心が雫さんの詩に出ている気がします。

とても優しかった。
でも、未だに?どうして知り合ったのか?
思い出せない。
通学路のは沢山の子供が居たはずなのに・・。
でも、幼稚園や、小1からあの遠距離を歩く子は少なかったはず。
でも、そのおかげでしょうね、歩くのが苦にならない、マラソンが好きですww
>
> ではでは失礼します('-^*)/長々と失礼しました。。

はい、忙しいのにコメントありがとう。
2010-01-06 Wed 00:11 URL | 光藤 雫 さんへ 雫 #Z7LMGkjQ[ 内容変更] | top↑
★ こんばんは^^
私にも良く似た体験があります
だからこの詩やコメンとは自分のことが書かれているみたいで
涙が流れてきます
幼い頃の想いで
思い出したくないことも多くありますが
今こうして生きていることを
考えればそんな体験も私にとっては自分を成長させる体験だったのかと思います
でも子供心には厳しかったかな~^^
2010-01-06 Wed 01:10 URL | kanhizakura #o25/X8aE[ 内容変更] | top↑
★ kanhizakura さんへ
> 私にも良く似た体験があります
> だからこの詩やコメンとは自分のことが書かれているみたいで
> 涙が流れてきます
> 幼い頃の想いで
> 思い出したくないことも多くありますが
> 今こうして生きていることを
> 考えればそんな体験も私にとっては自分を成長させる体験だったのかと思います
> でも子供心には厳しかったかな~^^

そうだったのですか。
写真の優しさ、詩の心遣いから
ある意味逆にその優しさが生まれ出てきているのかもしれないですね。
でもこのコメントを書いていただくまで、全く気づきませんでした。

同じような経験、私も幼児期のことでしたから辛かったですね。
その心を察すると、私も心が痛みますね。

思い出したくないこと、同じようにありますね。
夢を、同じいやな夢をずっと見続けたこと、ありましたね。
ある事実があってから、見なくなりました。
ホッとしたからでしょうね、心配がひとつ減ったから。

成長。
こんな意味での成長はいらないかも。
でも、ひとりで居るときも多かったので・・
ひとりぼっちに見えた?自然の草花や生き物たちと仲良くできた?ww
そのことは自分にとっては、その感覚が鋭くなったのかもしれません。
感受性?

今もそうですが・・
例えば、野に咲く一輪の花を見つけたら、そっと声をかけます。
また、気づくのは、何かしら誰かが、その花が知らせているのかもと。
そう思うこともありますね。
話しかけて、いつも最後に言うのですが・・
「また来るからね」と、声をかけると、本当に不思議なのですが・・
風も無く、今までじっとしていた花がまるで答えてくれるかのように
そっと揺れるんです。

人は、だから、ひとりじゃないんですね。

2010-01-07 Thu 01:41 URL | kanhizakura さんへ 雫 #Z7LMGkjQ[ 内容変更] | top↑
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