悲しい想い出は 忘れなくていいよ。 大切にしまっていたらいい。 前に進む勇気が 君にはあるはずだから。。
童話「人々と神様が創った電車」
2012-09-25 Tue 01:11
IMG_8127_edited-1.jpg




「人々と神様が創った電車」



図書室に行った。  
小さな茶色の本があった。
題名があった 「雫詩」 って。

その中のひとつに目がとまった。


ホネストという町がありました。
小さな田舎町、
そこには善良で争いごとが嫌いな、住民ばかりが住んでいました。


みんなの自慢は、黄金の稲の穂と、困った時に助けてくれる神様と、
小さな田舎町を横断して走る、電車だった。


一年に一度だけ願い事を叶えてもらう、そのひとつが電車だった。
電車には、命があった。




プラットホームに 電車の発車を告げるベルが鳴った


「すまんのお 今夜は誰も乗らんようじゃ 気をつけて行っておくれ。」
駅員はそう語りかけた 電車に。


「なぁに、稲刈りに忙しくて、みんな疲れて寝ているんですよ、きっと」
そう、電車は答えた。


「そうじゃのお、今年は豊作じゃ、ありがたいことじゃ」
「はい、もう少ししたら、お米を都会にいっぱい運ぶ、私も大変だぁ」と
電車は、少しも困ったようではなく、嬉しそうに話した。





電車は、忙しかった。
時々、急病人がでたら、救急車の役目もして、特別列車として走った。
だから、子供電車が今年の願い事として、生まれたのだ。


「まだ夜は子供電車は走れんのかのお?」
「はい、まだ足は遅いし、慣れていないし、怖がりだし・・」
それだけは、すこし困ったようだった。



「じゃ、ご苦労じゃが、最終電車、行って来てくれるかのぉ」
「はい、安全運転で行って来ます」



電車は、ピーと、長い汽笛を鳴らし、走り出した。



しばらく走ると、そこは踏み切り
用心しよう、そう思った時。


踏み切りの上に、倒れているご老人が居る!



「あ、ブレーキが間に合わない!!!」



このままでは あの人を傷つけてしまう
そうだ 誰もお客さんが乗っていないんだ


とっさに考えた答えは。

じゃ、私が線路を離れたら、良いんだ!!


お父さん電車は 自分が傷つくのを覚悟で
線路から外れて 田んぼの中に突っ込んだ。



ギギーギー ドドド ドスーン



町のみんなは、大きな音に驚いて家から飛び出しました。
そして、しばらくして、やっと電車の事故だと気づきました。


「うーん」
命は助かったようです。
でも、ガラスも割れ、あちこちが傷つき、動けません。



「大丈夫かい?」
町のみんなは、声をかけてくれました。
「私は、いいんです、お年よりは?倒れていた人は?」



「あぁ、大丈夫じゃ、つまづいた時、頭を打ったようじゃ、命は心配なしじゃ」
「ああ良かった、本当に良かった。」


「助かった老人は、『すまんすまん』と言って、泣いておる」
「いいんです、命を助けることが出来て、良かった」





子供電車は、夜が怖くてお父さん電車の傍には来れませんでした。
やっと、朝になって、お父さん電車の傍まで。
でも、どうすることも出来ません、助ける力がないんです。



町のみんなから愛され、親しまれた電車、
その電車が走れないと、都会へ米も運べない、病人も助からない、本当に困る。




お父さん電車は、話しかけました。



「私の代わりに走っておくれ、線路も無事だったから」
「もう走りたくない、だって、怖いんだもの・・・」


「いいかい おまえは 何のために生まれてきたの?」
「・・・・町のみんなの役に立つため?」


「そうだよ、それが分かっているなら、走ってくれないかい?」
「・・・怖いんだ、だれか線路に倒れていたら、僕おとうさんみたいに・・」


「田んぼに飛び込めないのかい?」
「うん・・・。」


「命はひとつだけど、この命は、自分だけのものじゃ、ないんだよ。」
「命って、自分だけのものじゃないの?」


「ほら、みてごらん、お父さんの体を、あちこち継ぎはぎだらけだろ?」
「うん、右は青で左は赤で天井は黄色だ、不思議だな って 思ってたの」


「これはね、ポンコツとして捨てられたものたちから、集めて作られたからだよ」
「僕も、そうなの?」


「そう、だからたくさんのポンコツさんたちの命も、願いも、体に入っているんだよ」
「でも、やっぱり怖いよ、走るのは・・夜は真っ暗だし・・」


「・・・・。」
「・・・・・・・・。」





ずっと話をして、とうとう夜になりました・・
でも、子供電車は聞き入れてくれません。
お父さんは、困りました、自分の怪我は神様にも、治せないのです。



神様が願いを叶えてあげられるは、一年に一度だけ。
そして、今年は、すこし古くなったお父さん電車のために、
子供電車を願い、叶えてもらっていたから。






町のみんなも、困ったと顔をあわせては、ため息をつくばかりでした。



その時です。
あの、踏み切りで倒れていた老人が、ポツリと。


「わしが悪いんじゃ、すまん事をしたの、だから神様にお願いをして来る」


みんなはびっくりしました。
一年に一度の願い事の約束を破って、頼みに行くと願いが叶っても
命を無くす掟があったからです。


「駄目じゃ!」
「それは、やめておくれ」
「俺だって、そこで倒れていたかもしれん、お前だけが悪いんじゃない」


みんな口々に行くことを止めました、しかし・・老人は


「ありがとうのう、みんな。一度はおとうさん電車に助けてもらった命じゃ
恩返しをしても、ええじゃえろ・・。」



止めるのも聞かず、老人はひとり、神様の住む山に向かいました。





やっと山の麓まで辿り着き、山に入ろうとした時でした。


「老人よ、願いは年にいちどだけじゃ、命はいらないのか?」
「はい、今から山に入り、どうか願いを聞いてほしくて・・」


と、途中まで話した時。


「すぐこの場所から、立ち去れ!」
「は、はい・・あの、願いを・・」


「立ち去れ!」
「・・・はい・・」




やはり駄目だったのだと、二度目の願いは聞いてもらえないのだと・・
老人は願いも言えずに、とぼとぼと町へ帰っていった。



★ 童話「人々と神様が創った電車」の続きを読む
関連記事
別窓 | 童話 | コメント:22 | トラックバック:0 | top↑
想い出「正しい嘘」
2012-09-18 Tue 23:59
8079105.jpg


「正しい嘘」


『レ・ミゼラブル』(Les Misérables)
子供のころ、紙芝居で見ました。
この物語が強烈な印象を与えてくれました。

この物語を私達に選び、話してくれたのは
小4年生、担任S先生。
とても素敵な優しい女性教師でした。



ジャン・ヴァルジャンの物語
貧困に耐え切れず、
たった1本のパンを盗んだ罪で19年も服役していた。


ジャン・ヴァルジャンは、人が信じられなかった。
貧しさに飢え、風雨にさらされ汚れきった服を纏い、
貧しさゆえ、文字も知識も教育も、何一つ受けることの出来なかった。


そんな彼に向けられる蔑まれる視線。
ただ、貧しいだけで、何一つ悪いことなどしてはいないのに・・。
それなのに、たった一本のパンを盗んだと、19年の刑をうけた・・。
そして服役して出てきた、その日・・
身よりも金もない彼は・・司教館を訪ねた。


そんな彼を、司教は暖かく迎えた。
なのにその夜、彼は司教が大切にしていた、銀の皿を盗んだ。
そして逃げた。


彼は憲兵に捕まり司教の下へ。
司教は怒り、失望の言葉を吐くのかと思ったら、そうではなかった。


「この食器は、彼にあげたものなのです」と、


盗んだというのは、間違いだと、彼を釈放させた。


何故、初めて会った、こんな私を・・
ジャン・ヴァルジャンは、自分のしたことを
本心から、悪かったのだと悟った。


人を信じることが、初めて出来たのかもしれない。
そんな彼に、
さらに、二本の銀の燭台をも彼に差し出した・・。
どうぞ、お持ちなさい、と。
ジャン・ヴァルジャンが、初めてひとりの人として
暖かく見守る人が居ることを、知った。




この、紙芝居を見て、本当に衝撃を受けた。
口先だけの、実体のない言葉で
「悪いことをしてはいけません」
「人のものを盗んではいけません」
何万回言われても、ここまで心に届かなかっただろうと。



子供心にも、司教のその優しさ、
広い心、感動し、太陽の心を知った。

そして、嘘はいけないけれど、
人を守る為の嘘は許されるのだと、分かった。

だから、そのことを、自分の子供にも、教えました。

嘘はいけない、しかし人を守り、許す嘘はついてもいいのだと。
そんな嘘ならどんどん嘘をつきなさい、
99人が嘘つきだとさげすんでも、
たった1人の人を助けることの出来る嘘なら、
それは正しい嘘なのだと。




作品を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
いつも応援ありがとうございます。


にほんブログ村



追記
人の命を、
自分の命、家族の命、大切な人の命と、同じ気持ちで見守れないのかと・・
特に、最近の事件は悔しい気持ちでいっぱいになります。

私は、自分がされて嫌な事は、人にはしない。
自分がされて嬉しいことは、人にもしてあげたい。
それを、信条のひとつにしています。
そんな当たり前のこと、当然なことが為されていない。

道徳教育、家庭の躾、優しさの本質等を誰も教えない。
いや、教えられないのでしょうね、
知らないことは、教えることは出来ないのだから

私が幸運にも、小学校4年で担任になった
S先生のような先生が
みなさんの傍に居ることを願っています・・雫。。

追記
そして、この記憶を鮮やかに甦らせてくれた、
引き出してくれるコメントを書いていただいた
不思議な不正義」管理者 : 荒野鷹虎 様に、
遅ればせながら、深く御礼申し上げます。


この作品で使用している写真は画像素材「写真素材 フォトライブラリー」さまからお借りしています。
素敵な写真がいっぱいです、ぜひ訪問しくださいね
★ 想い出「正しい嘘」の続きを読む
関連記事
別窓 | 想い出 | コメント:18 | トラックバック:0 | top↑
生命詩「銃を撃たなかった軍隊」
2012-09-12 Wed 21:13
4499201.jpg



「銃を撃たなかった軍隊」



人の心は 全世界同じなのです
肌の色 宗教の違い 言語の違い
ありとあらゆる 違いがあっても


人だということ 生きていること 
心があるということ 真心は通じるということ
笑顔や涙を そして信頼の言葉を知っていること


叩かれても挫けずに立ち上がる気持ち
痛めつけられて踏まれても 希望を捨てない限り
未来はそこにあるのだと




戦争で蹂躙された人々 内戦で逃げ惑う人々
食べることも 子供を守るミルクもワクチンも無い
それでも 人々は 生き家族を守ろうとする


そんな人たちの元へ同じアジアの仲間として
銃を撃たない軍隊 スコップを手に
人々の信頼は 尊厳と行動で示し得た


学校36校を復旧 子供たちに笑顔を
道 80kmもの距離を整備した
病院 診療所 医療器具 指導も




そこには 一発の 銃弾もいらなかった
日焼けした顔 優しい瞳 信頼の握手
北風は去り 温かな太陽が見守った


覚えているだろうか?わずか8年前の出来事
銃を撃たなかった軍隊 人々に感謝された軍隊
今も 日本各地 被災地に 私達のために


当時 心無い人々の 大反対を受けながら
自らの命の危険を顧みず 家族の涙に見送られ
旅立った人たちが 居たこと 忘れては いけない・・




作品を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
いつも応援ありがとうございます。


にほんブログ村



追記
自衛隊のみなさまへ。
今までも、災害地域へ出動して
多大の貢献をして頂き、心より感謝いたします。

阪神大震災でも 東日本大震災でも
日本中のありとあらゆる被災地へ
二次災害 大規模余震 危険のど真ん中へ

捜索 救援 搬送 治療 炊き出し
ガレキを除き 風呂を作り 道を整備し
人々に希望の光を当てて頂きました

心身ともに大変で、ショックな現実も多々あるはずです
心労のために、亡くなられた方も・・
ただただ、ありがとうございますと、伝えるだけです。

そして
東日本大震災から一年半が過ぎました
絆と言いながら ガレキの受け入れさえも拒否する人々
自衛隊が海外に行くことを大反対した
当時の、同じ人たちに見えて仕方がありません・・雫。。


この作品で使用している写真は画像素材「写真素材 フォトライブラリー」さまからお借りしています。
素敵な写真がいっぱいです、ぜひ訪問しくださいね
関連記事
別窓 | 生命詩 | コメント:20 | トラックバック:0 | top↑
純愛詩「席替え」
2012-09-04 Tue 21:25
3848157.jpg 




「席替え」



今日は 朝から 気合が入ってる
恋が実るか 散るか 運命の日!?
くじを引く 右手100回 洗っちゃった
どうか 一ミリでも傍に 彼の近くに


新学期 最大の問題事 席替え
どうか どうか どうか 隣にお願い
もしも それが 駄目なら 斜め後ろに
それなら チラ見 何度も 出来るから




親友に すぐ気づかれた 顔に出てる?
「気合満点 私も祈るよ」 って 
ほんとに おまえは 良いやつだ
今日の お弁当 玉子焼き あげる


運命の時 近づいた 神様仏様
おじいちゃん おばあちゃん 父母その他
何が何でも 引き当てる 奇跡の右手
くじ箱が 近づく 心臓破裂寸前 やばいょ





席順発表 彼は後ろだ 私も続け!
あぁでもね 斜めの席は もう消えた
残るは ばら色 特別席の 隣だけ
結果は まさか まさか まさか


なんで なんで なんで 親友が隣に
茫然自失 暗黒世界 貧血転倒 
夢も希望も 風船爆発 医務室直行?
私は 最悪 島流し 一番前じゃん




親友にっこり 私を見て ウインク




なんで なんで なんで ウインク?
親友突然立ち上がり 先生直言
「こんな後ろじゃ 見えません だから
一番前の 仲良し友達の 席と代わらせて」 


先生 勉強優先 視力限界 納得
仕方がないと 私に同意 求めてきたよ
反対するわけ 無いじゃない!!!!!!
でもね でもね でもね 仕方ない振り





あぁ 親友の言うことなら しょうがないです
なぁんて もったいぶって 言っちゃった
誰か気づいて 反対意見 来ないよう
短い時間 永遠の時間 心臓バクバク 


あぁ とうとう ゲット いや譲られた席
親友に 抱きつき 涙 鼻水 くっつけた
嫌がる 親友 離さず言った 感謝の言葉
「これから 毎日 玉子焼き プレゼントだぜ」





作品を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
いつも応援ありがとうございます。


にほんブログ村






追記2017/01/06
曲を Saku 『春色ラブソング』に変更しました。
青春、いいですね。雫。。

追記
写真、今日もフォトライブラリーさんで、
気に入った可愛い子供の写真を2作品をゲット。
もしかして?と最後の一枚を残しておいて、大正解。

ブログに使う曲を探していて、
「だってだってだって」を発見。

そして写真探し・・
この写真も可愛くて、詩のイメージそのままで、
見つけた時はうれしかった。

「だってだってだって」
何度も聴いていて、この詩が書けました。
なんとか、今日に間に合いました。
見たら、火曜日に連続更新していたので。雫。。

この作品で使用している写真は画像素材「写真素材 フォトライブラリー」さまからお借りしています。
素敵な写真がいっぱいです、ぜひ訪問しくださいね
関連記事
別窓 | 純愛詩 | コメント:24 | トラックバック:0 | top↑
| 雫にサヨナラ |
http://002.hitgraph.jp/i.asp?139543-2 http://002.hitgraph.jp/o.asp?139543-3