悲しい想い出は 忘れなくていいよ。 大切にしまっていたらいい。 前に進む勇気が 君にはあるはずだから。。
童話「ゆびきりげんまん」
2017-01-11 Wed 03:14
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図書室に行った。  
小さな茶色の本があった。
題名があった 「雫詩」 って。

その中のひとつに目がとまった。


「ゆびきりげんまん」


昔・・・昔・・・
あるところに
小さな森がありました。

みんな仲良く暮らしていました。

この森には決まりごとがありました。
神様から名前をもらうこと、殺し合いをしない。
この二つでした。
もし、約束を破ると、この森を出なくてはいけません。

季節はいつも春から夏の間のように暖かく
食べ物もいっぱいありました。
だからたくさんの動物たちがこの森にやってきました。

名前をつけてもらうこと、むずかしくはないんです。
何かひとつだけ、違うところがあれば良かった。

穴を掘るのが得意、力が強い、色を変えられる、空を飛ぶ・・・
何でもいいんです。

ある日のことです。
この森に一匹の虫がやってきました。

体が大きく、角が二本、力も強そうです。

でもほんとうは怖がりで、弱虫で・・・もしそんな名前つけられたら・・・と。
神様に会う勇気もなく、ぽつんと一人で考えていました。

名前をつけてもらう前は、名なし君とよばれます。
そんな名なし君を心配そうに見ている虫がいました。

テントウムシさんでした。
おなか空いてるのかな?友達になってくれたらいいな
なんでもはなしできる、本当のともだちに・・・。

ひとりぽっちでさみしそうな名なし君に、自分が集めた蜜をあげようと・・・。
声をかけました。

「こんにちは」
「あ、こんにちは」

「お腹空いてるんじゃない?蜜あげるね」
「ありがとう、もうおなかぺこぺこ」

「よかった それより お願いあるんだけど」
「僕にできること?」
「うん 友達になってほしいんだ」

「え、僕で良いの?」
「うん、僕も友達いないから、いいかな?」
「もちろんだよ、こんな僕でよかったら・・・」

一人も話し相手もいなかったから、すごくうれしくて嬉しくて・・・。

名なし君は、来る途中で池にはまったとか、夜一人でこわかったことなど・・・
やっとできた友達に今までの出来事を話しました。

聞いてもらえるだけで・・・うれしかった。
二人ともおなじきもちでした。

そんな二人を見ている黒い虫がいました。

黄色や赤の色もまじlって。

「やあ」

あぁ びっくりした~
ものすごく大きな体の虫でした。

「いいこと教えてあげようか?」
ふたりは「なに?」と

「森のはずれに蜜のいっぱい入った、時計という家がある」
ふたり「ほんとう?」
「うそなんかつくものか、ほら見えるかいあそこだよ」

ふたりが指差すほうを見たら、四角く長い大きな家がありました。
「いっぱいあるから いくらでも食べてもいいぞ ふっふつふ」

二人とも正直で、うそなんかついたことがありません。
だから、何も疑うこともなく、

「ありがとう」と言って家に向かいました。

(引っかかったな・・・)



そう言うと・・・
その 大きな虫は うしろから こっそりと 二人についていきました

ふたりはやっと時計の家につきました。

木の扉がありました、不思議なことに中が透けて見えるところもありました。
テントウムシさんでは扉は重くて開きません。
「じゃ僕が開けるね」
名なし君は、一生懸命に扉を開きました。

ギッギィー

やっとあいたときです・・・
どこからか、声がきこえてきました。

「ボーンボン誰じゃ?わしに何か用か?」

どこから声が聞こえてきたのか、びっくりして見ましたが誰もいません。

「ここじゃ わしは 時計じゃ」
どうやら時計の家が話していることがやっとわかりました。

二人は今までの話をしました

「ボンボン、わしの扉を開けても、中には何も無いぞ。」

テントウムシがいいました。
「え、でもむしさん、あ、名前聞くのわすれた、中にいっぱい蜜があるって、」
「ボンボン、そんなもんはないぞ、いや待て、お前たちに声をかけたのは黒い虫か?」

うん 二人はうなずきました。

「ボンボン、そして黄色や赤い色もある大きな虫か?」
「そうだよ」
ふたりは声をそろえて言いました。

「ボーンボンそれはいかん お前たちすぐに逃げろ」
え、何で?
「ボン、それはクモといってきらわれものでお前たちを食べるつもりじゃ、はやく逃げろ」

そのときです。

「そうはいかないぞ」 
隠れていたクモが突然あらわれました

ふたりが時計の家にはいったら 糸ででられないようにして
食べようとしていたのです

時計さんは森の仲間に助けを呼ぼうと大きな音をだしました

ボーンボン ボーンボン

テントウムシさんも助けを呼びに飛び立とうとしました。

目に見えない糸に絡まってにげられません。
クモの巣にひっかかったのです。

クモはだんだんと近づいていきます
名なし君は怖くてただ見ているだけです。

テントウムシさんが言いました。

「名無しくん逃げて 僕が食べられている間に 逃げて」





どすん

クモがたおれました。
クモはなぜ自分が倒れたのか、分かりません。
起き上がり、後ろを振り向くと・・・。

あんなにも震えて、ただ見ていた、名なし君がそこに居たのです。
真っ赤な顔で、怒りをいっぱいに表した、名なし君が。


名なし君がクモに体当たりしたんです。


自分のどこにこんな勇気があったのだろう。
何も考えていなかった、ただ、友達を、テントウムシさんを助けたくて!

あんなにも大きな相手に、立ち向かったのです。
もう何も怖くなかった 友達を助けたい、その一心でした。

名なし君が角でクモの糸を切りました。
「さ、今だよ、テントウムシさん逃げて!」

空を飛ぼうと羽根を羽ばたかせたとき、起き上がったクモが、また糸を吐きました。

「わっ」
テントウムシさんはクモの糸にからまって、地上に叩きつけられました。

「さあ・・・食ってやるぞ!」
「だめだー」

また、体当たりをしました。でも、今度は倒れません。
「もうゆだんはしないからな。」

どん!
名無しくんはつきとばされました。

体当たりがダメならと、今度は、クモの足を大きな角ではさみました。
「痛い、いたい、なんて奴だ、これでもくらえ!」

クモが名なし君の角に噛み付きました。
ポキリ

鈍い音がしました。
「あぁ~、痛いよー」

名なし君の角は一本が折れ、残った一本も曲がってしまいました。
血が流れ、痛さで気を失いそうです。

でも、でも、それでも、まだぶつかっていきます。
友達を助けたい。

一人ぼっちの僕に、声をかけてくれた友達を。
おなかが空いたとき、密をくれた優しい友達を
なんでも話ができる、初めてできた友達を・・・

守るために!

なんども何度も、また体当たりしました。
傷口から血が流れ続けました。
曲がった角が、さらに曲がりました。

でも、長旅で疲れ、お腹もいっぱいじゃないから・・・。
もう、もう・・・力があんまり残っていません・・・。

そのときです。

小さな羽根音がしました。
テントウムシさんが糸を解いて、飛び立った音でした。

「待ってて、助けを呼んでくるからね」
「あぁ・・・」
「生きていてね、死んじゃダメだよ・・・『友達くん』・・・」

「・・・・・・・・」

たしかに そう聞こえた「友達くん」と・・・。
たしかに、そう呼ばれた「友達くん」と・・・。

名なし君、ゃなかった。友達と呼ばれた。
嬉しかった、涙が一滴ポロリとながれた。

「あぁ・・・」

と、それだけの答える力しか、残っていませんでした。
どんどんテントウムシさんが小さくなっていきます。

ああ、よかった、良かった守れたんだ。
安心すると、力が抜けてきました。

ああ、もう力が残ってないよ・・・。
ああ、でもいいや、生きている間に、なにかできたんだから。

目の前がだんだん、白くなっていきます。

ああ、このまま、死んじゃうのかな?
ああ、テントウムシさん、さようなら・・・。

へなへなと、地面に座り込みました。
クモがゆっくり・・・近づいてくるのが分かりました・・・。



「・・・・・・・。・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」


何かを言いました。でも、聞こえませんでした。
クモが名なし君の前足をつかみました。



その時です。

「来たぞー」
突然後ろのほうから、大きな歓声が聞こえてきました。
クモは逃げ出しました。


でも・・・
でも・・・。

傷ついているのか、逃げ足はとても遅く名なし君から、ゆっくり・・・ゆっくり・・・。
後ろを振り向きながら・・・離れていきました。

名なし君は、泣き出しました。

でもそれは角が折れて痛くて泣いたんじゃありません。
友達を守れた、それがうれしくて 嬉しくて。

すると、あんなに大きな虫と戦ったこと、急にこわくなって・・・がたがたと体が震えてきました。


声が聞こえました。
「間に合ったか」


神様と森の仲間たちが来てくれたのです。

「ボーンボン、みんな来てくれてありがとう、この勇者がテントウムシをクモからまもったのじゃ。」

神様はみんなの前で言いました。

「ぜひともお前に名前をつけてあげたいが・・・どうじゃ、希望の名前はあるか?」

名なし君は・・ただ・・・こわくて・・・怖くて・・・
歯ががたがた、足はブルブル・・・言葉になりません・・

「さあさ、遠慮しなくてもいいぞ。特別にお前の好きな名前をつけてやろう どんな名前にしたいのじゃ」

怖かった・・・コワかった・・・と言いたいのに・・・歯が震えて・・・
クワがった・クワがった・・・と神様には聞こえました。

うん・・・・?
クワガッタじゃと?
お前は「クワガッタ ・・・」?

そうじゃ 

「クワガタ」
と名づけよう・・・

みんな歓声をあげました

よかったね 
おめでとう 
ばんざーい 

これで弱虫の「名無し君」は森の一番の勇者として
「クワガタとしてその名を称えられました。
助かったテントウムシさんも大喜びです。

時計さんも森じゅうに響き渡るほどの、祝福の鐘を鳴らしました。

「めでたしめでたし・・・・ボーンボーン~~~♪♪」

しかし
物語は、終わりではありませんでした。
また、新たな殺し合いが始まろうとしていました。
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童話「人々と神様が創った電車」
2012-09-25 Tue 01:11
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「人々と神様が創った電車」



図書室に行った。  
小さな茶色の本があった。
題名があった 「雫詩」 って。

その中のひとつに目がとまった。


ホネストという町がありました。
小さな田舎町、
そこには善良で争いごとが嫌いな、住民ばかりが住んでいました。


みんなの自慢は、黄金の稲の穂と、困った時に助けてくれる神様と、
小さな田舎町を横断して走る、電車だった。


一年に一度だけ願い事を叶えてもらう、そのひとつが電車だった。
電車には、命があった。




プラットホームに 電車の発車を告げるベルが鳴った


「すまんのお 今夜は誰も乗らんようじゃ 気をつけて行っておくれ。」
駅員はそう語りかけた 電車に。


「なぁに、稲刈りに忙しくて、みんな疲れて寝ているんですよ、きっと」
そう、電車は答えた。


「そうじゃのお、今年は豊作じゃ、ありがたいことじゃ」
「はい、もう少ししたら、お米を都会にいっぱい運ぶ、私も大変だぁ」と
電車は、少しも困ったようではなく、嬉しそうに話した。





電車は、忙しかった。
時々、急病人がでたら、救急車の役目もして、特別列車として走った。
だから、子供電車が今年の願い事として、生まれたのだ。


「まだ夜は子供電車は走れんのかのお?」
「はい、まだ足は遅いし、慣れていないし、怖がりだし・・」
それだけは、すこし困ったようだった。



「じゃ、ご苦労じゃが、最終電車、行って来てくれるかのぉ」
「はい、安全運転で行って来ます」



電車は、ピーと、長い汽笛を鳴らし、走り出した。



しばらく走ると、そこは踏み切り
用心しよう、そう思った時。


踏み切りの上に、倒れているご老人が居る!



「あ、ブレーキが間に合わない!!!」



このままでは あの人を傷つけてしまう
そうだ 誰もお客さんが乗っていないんだ


とっさに考えた答えは。

じゃ、私が線路を離れたら、良いんだ!!


お父さん電車は 自分が傷つくのを覚悟で
線路から外れて 田んぼの中に突っ込んだ。



ギギーギー ドドド ドスーン



町のみんなは、大きな音に驚いて家から飛び出しました。
そして、しばらくして、やっと電車の事故だと気づきました。


「うーん」
命は助かったようです。
でも、ガラスも割れ、あちこちが傷つき、動けません。



「大丈夫かい?」
町のみんなは、声をかけてくれました。
「私は、いいんです、お年よりは?倒れていた人は?」



「あぁ、大丈夫じゃ、つまづいた時、頭を打ったようじゃ、命は心配なしじゃ」
「ああ良かった、本当に良かった。」


「助かった老人は、『すまんすまん』と言って、泣いておる」
「いいんです、命を助けることが出来て、良かった」





子供電車は、夜が怖くてお父さん電車の傍には来れませんでした。
やっと、朝になって、お父さん電車の傍まで。
でも、どうすることも出来ません、助ける力がないんです。



町のみんなから愛され、親しまれた電車、
その電車が走れないと、都会へ米も運べない、病人も助からない、本当に困る。




お父さん電車は、話しかけました。



「私の代わりに走っておくれ、線路も無事だったから」
「もう走りたくない、だって、怖いんだもの・・・」


「いいかい おまえは 何のために生まれてきたの?」
「・・・・町のみんなの役に立つため?」


「そうだよ、それが分かっているなら、走ってくれないかい?」
「・・・怖いんだ、だれか線路に倒れていたら、僕おとうさんみたいに・・」


「田んぼに飛び込めないのかい?」
「うん・・・。」


「命はひとつだけど、この命は、自分だけのものじゃ、ないんだよ。」
「命って、自分だけのものじゃないの?」


「ほら、みてごらん、お父さんの体を、あちこち継ぎはぎだらけだろ?」
「うん、右は青で左は赤で天井は黄色だ、不思議だな って 思ってたの」


「これはね、ポンコツとして捨てられたものたちから、集めて作られたからだよ」
「僕も、そうなの?」


「そう、だからたくさんのポンコツさんたちの命も、願いも、体に入っているんだよ」
「でも、やっぱり怖いよ、走るのは・・夜は真っ暗だし・・」


「・・・・。」
「・・・・・・・・。」





ずっと話をして、とうとう夜になりました・・
でも、子供電車は聞き入れてくれません。
お父さんは、困りました、自分の怪我は神様にも、治せないのです。



神様が願いを叶えてあげられるは、一年に一度だけ。
そして、今年は、すこし古くなったお父さん電車のために、
子供電車を願い、叶えてもらっていたから。






町のみんなも、困ったと顔をあわせては、ため息をつくばかりでした。



その時です。
あの、踏み切りで倒れていた老人が、ポツリと。


「わしが悪いんじゃ、すまん事をしたの、だから神様にお願いをして来る」


みんなはびっくりしました。
一年に一度の願い事の約束を破って、頼みに行くと願いが叶っても
命を無くす掟があったからです。


「駄目じゃ!」
「それは、やめておくれ」
「俺だって、そこで倒れていたかもしれん、お前だけが悪いんじゃない」


みんな口々に行くことを止めました、しかし・・老人は


「ありがとうのう、みんな。一度はおとうさん電車に助けてもらった命じゃ
恩返しをしても、ええじゃえろ・・。」



止めるのも聞かず、老人はひとり、神様の住む山に向かいました。





やっと山の麓まで辿り着き、山に入ろうとした時でした。


「老人よ、願いは年にいちどだけじゃ、命はいらないのか?」
「はい、今から山に入り、どうか願いを聞いてほしくて・・」


と、途中まで話した時。


「すぐこの場所から、立ち去れ!」
「は、はい・・あの、願いを・・」


「立ち去れ!」
「・・・はい・・」




やはり駄目だったのだと、二度目の願いは聞いてもらえないのだと・・
老人は願いも言えずに、とぼとぼと町へ帰っていった。



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童話「桜」
2009-04-04 Sat 20:13
Photo by (c)Tomo.Yun
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図書室に行った。  
小さな茶色の本があった。
題名があった 「雫詩」 って。

その中のひとつに目がとまった。





「桜」




じっちゃん なんで この桜 咲かんのじゃ?



わしも おなじように ばあちゃんに 聞いた事がある・・

なんも 答えてくれんかった・・




じゃがな 亡くなる前 たった いちどだけ 話をしてくれたんじゃ

わしも もしかしたら そう長くはないかもしれん

じゃから おまえに いちどだけ 話をしておこうかの・・






昔々・・ の ことじゃった。






この村に若者がおった

万次郎という それは 好青年がおった

好きな人が いとったそうな 桃枝さんという 可愛い人がおったそうな





ある日のこと

戦争が始まって 徴兵されて 戦地に赴くことになった万次郎は

想いを告げたくて 桃枝さんの家まで行ったそうじゃ





でも どうしても 言えなんだそうな 

いつ死ぬか分からん 戦地に行くのだからのう





声もかけず 会わずに引き返そうと 振り返った時

そこには 桃枝さんが 立っていたそうな 

万次郎を見つめて な





何も言えんかった お互いに ただ じっと 見詰めあって いたそうな





そして 万次郎は一言だけ



「おさらばです」


と・・




想いの全てが こめられた言葉じゃった

もう それ以上は 何も言えんかったそうな



戦争に行くんじゃ 

もう 二度と逢えんと 別れの言葉を 言ったのじゃな





歩き出した 

桃枝さんを見詰めて

真向かいに立っていた 

横を通り過ぎ おじぎをしたとき






「待っています・・・    いつまでも・・・」



と・・


桃枝さんが 泣きながら 言ってくれた そうな






万治郎は 

胸が一杯になりながらも 答えたそうじゃ


「帰ってきます  必ず 生きて・・」



と・・



同じように 泣きながら







それから 戦争が続いて 食べるもんも だんだん無くなって

いつかしら 戦闘機や爆撃機が 来るようになった

平和だった この村にもな








・・・・・・・・・・・・・・






万次郎が 


戦地に赴いて 3年が経った 春   戦争が終わったんじゃ




左手の指をを失くしたけれど 

生きて 帰った



約束を 守ってな。。







桃枝さんの 家に向かった 

けれど 

家は無かったそうな





空襲で 焼けてしまったそうな

残ったのは 

桜の木が 一本だけ






そのとき 桃枝さんは 爆撃で 亡くなったそうな

助けに行った ばあちゃんが 聞いたそうな


最後の言葉は





「ごめんなさい・・」






その 一言だった そうな・・





きっと

万治郎との 約束を守れなくて 侘びたのじゃ な・・







それを聞いた 万治郎は何も言わんかったそうな・・





じゃが 自分の家を処分して 

その金で 

桃枝さんが住んでいたところの 土地を買い 家を建てたそうな







桃枝さんと 一緒に 暮らしたかったのじゃろう・・






桜の木は 桃枝さんが 亡くなる前までは 

それは きれいに咲いて いたそうな

毎年 春を迎えると・・




じゃが 桜も悲しかったのじゃろう 

あんなにも 優しかった桃枝さんが 亡くなってからというもの

一度も 花を咲かせることは 無かったそうな





もう・・

50年 一度も  な・・。








そんな時じゃ






同じように 50年も独身ですごした 万治郎が 肺炎になって

明日をも知れぬ命じゃ と 聞いて

ばあちゃんが 万治郎さんの お見舞いに行ったそうな







今まで 何も言わんかった 万治郎さんが 



ポツリと・・




「桃枝さんに ひと目 逢いたかった」 



と・・






そう言うものじゃから・・みんな 泣いてしまってそうな・・









そん時じゃった



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童話「なんもだよ」
2009-03-27 Fri 00:00
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図書室に行った。
小さな茶色の本があった。
題名があった・・・「雫詩」・・・って。
その中のひとつに目がとまった。



「なんもだよ」



昔・・・昔・・・



中学1年生
新学期・・初めてのクラス 顔合わせ
小学校からの懐かしい友・・顔
別の学校からの?知らない顔
そんな新しい仲間が揃ったクラス

ある中学のクラスにおとなしい女の子がいた
関西はただ話してるだけで・・・けんかしてるみたい・・・って、よく言われるよね。
そんななかでぽつんとひとり・・・
昼のお弁当もひとりで・・・気になって・・・ほっておけなくて・・・

「こん^^」
「あ、こんにちは」

か細い声で答える・・・

「昼、ひとり?」
「うん」


・・・・


「どうかしたの?いじめられてるの?」
「ううん なんもだよ・・」

??
その言葉の意味わからなくて
関西の子じゃないんだって わかって
言葉気にして 一人で いるのかな? って

「え?ごめん 今 何て言ったの?」
「あ あの・・ なんもだよ」 って


また 同じように 同じ言葉が聞こえた
確か?
なんもだよ? って 

でも 聞き直せなかった
顔寂しそうで
それ以上聞いたら 泣き出しそうで 聞けなかった


「そっか じゃ、一緒に食べよ」
「え? いいの?」

「え?あかんの?一緒やったら?」
「・・・いいの?ほんとに?」

「ええにきまっとるやん 隣 座るで」
・・・・・



中学生になって まだ日数経っていない
なのに?
みんなからつまはじきにされているようで

みんなの冷たい視線 感じた
こんな大人しそうな子が何をしたというの?




一緒に食べた 恥ずかしそうにしていた
でも すこし
すこしだけ表情明るくなったような気がして
良かったかな って 思った



・・・


次の日も
お昼休み ひとりぼっち みたい?
笑顔なかった

まわりの視線感じた
物珍しそうな 冷たい視線を

なんだか ものすごく腹が立った
この子が 可哀そうで 



だから・・
また となりに座って 弁当を広げた

その子が 小さな声で 言った
「あ ありがとう」 って

それを聞いて また悔しくて

だから
わざと大きな声で 言った


「昨日な、堤防行って クジラ釣ったんや!」

「え?ほんとう?」

「あかんあかん そんなときは こう言うねん『ほんまかいな』や」

戸惑いながら 恥ずかしそうに

「ホン マ カイ ナ」

「そうや!そんな風に言わなあかん」


(*^-^)ニコ・・

笑った!
初めて笑顔見せた。。

クラスのみんなも聞いていたの?
くすっと 笑った



・・・


そして
次の日・・

「ほんまにこいつは、変な奴やろ?堤防に クジラいるわけないやん!」

小学校からの友達 声かけてきた
ギコギコ 椅子引きずりながら

ひとり 仲間増えた
三人でお昼ご飯
嬉かった

教室の冷たい空気
すこし 暖かくなったような気がした






また
次の日・・

「こいつの空想話 聞いてたら 頭かち割って 血ー吸われてるみたいやろ」

知らない顔 でっかい奴 別の小学校?
細い目 笑いながらもっと目細くしながら寄って来た

椅子 よいしょっと 肩に担ぎながら。。

「ほんまや こいつのアホがうつるで 気ぃつけや」
「そんなこと言うなや この子が信じたらどうすんねん!」
「ほんまのことやから しかたあらへんやん」

_・)ぷっ

また ひとり お弁当持って 寄って来てくれた

アハハ・・

(*^-^)ニコ o(*^▽^*)o~♪ (⌒▽⌒)アハハ! ((o(>▽<)o)) きゃははっ♪

4人で笑った・・

仲間またひとり増えた
まわりのやつも つられて笑った o(*^▽^*)o

嬉しくなって その子の横顔見たら
うれし泣きしそうな顔 してた


良かったな って 思った





そして
何時しか・・・


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童話「パンの耳」
2009-02-25 Wed 00:13
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図書室に行った。
小さな茶色の本があった。
題名があった・・「雫詩」・・って。
その中のひとつに目がとまった。




「パンの耳」






小学生のときのお話。



転校生が来た。
ぼくの席の隣に



声かけた

ぼくも転校生だったから・・
気持ち分かるから・・・

青白い顔してた。



家の近くだった。
5分ぐらい・・・。

弁当屋さんの二階に住んでいた。
ぼくの家、パン屋している。



ある日、友だちが お願いあるんだ って 言った。

え?ぼくで できる事なら? って 答えた。

食パンの耳、余ってたらくれる? って。

どうせ捨てるものだから 良いよ って 答えた。

どうするの?って、聞いたら 犬にあげるんだ って。

そう いいよ って答えた。


ビニール袋に一杯、詰めて持って帰った。

犬たくさん飼ってるのかな? って しか 思えなくて。

でも。
何故か寂しそうな 横顔してた。
お弁当屋さんで、犬を飼ってもいいのかな? って 
思い過ごし だよね。



それから、毎日友だちは来た。
ペットの犬にあげるんだって。




ある日、ぼくの狭い部屋で宿題した。
よく勉強が出来た
ぼくは教えてもらうばっかりだった

部屋にノート忘れていった。

じゃあとで持っていこうと。
晩御飯すんで 友だちの家に行った。



玄関のドア開けようとしたとき、大きな笑い声聞こえた。



??


細いドアの隙間から覗き込んだ。


見えた。


土間にテーブルも無く、家族4人座ってる。

小さな妹居てた、赤い服 いつもの服。
お父さん 笑ってた?ように見えた。
お母さん?も。

友だちの 背中見えた。
細い肩、ランニング 黄色く染まって いつもと同じ服。



小さな妹 おいしいね って 言った。



涙 流れた。


見なければ良かった。

パンの耳 食べていた。

みんなで でも 楽しそうに。





・・・・・・・・・




ノート渡せずに 家に帰った。

次の日、友だちの目 見れなかった。
はい、と うつむいてノート渡した。



また、今日も遊びに行っても良い?
って聞くから


良いよ って。

昨日の夜の事思い出して
また、涙流れてきた

どうしたの? って 聞くから。
なんでもないよ 目にごみ入った、と 嘘ついた。



友だち遊びに来て ポツリとひとり言。

パンね 耳 バターで揚げて、砂糖つけたら美味しいんだよ って。
言った。



僕、また涙流れて

どうしたの? って 聞くから

また、目にゴミは入ったって、また嘘をついた。

目を洗った方が良いよ って心配してくれて・・・。
下に行って、洗面器に 水一杯入れて 持ってきてくれた。

ぼく 物干しに行って 洗面器に顔突っ込んで
泣いた・・・
洗面器 水 あふれた。



目のごみ取れた と 言って、店に行った。

おかあさんに
パンの耳 もっとあげても良い? って、聞いた。

良いよ って 言うから。
いちばん大きなビニール袋に入れてあげた・・。



友だち ありがとう って。

にっこり 笑った。


その顔見たら
また 目にごみ入った。









次の日 友だち学校休んだ。
家のシャッターに手紙入っていた。



ありがとう さようなら ごめんね

そう書いてあった。



鉛筆で書かれた文字が

ふるえているみたいに

手紙 ぬれていた・・・。



その日から友だち 学校へ来なくなった。

どこかへいった友だち




色々と事情あったみたい。

うわさ聞いた 追いかけられていて、見つけられて逃げた。 と。。




今、友だちに手紙書いた。

あて先の無い友だちへの手紙 書いた。

もうぼくの家、パン屋してないけれど また遊びに来いよ。

こんどは パンの耳 一緒に食べようね って。





・・・・・・・・




読み終えたら ぼくの手から 小さな茶色の本消えていた。


窓の外を見ると いつの間にか 雨が降っていた。





窓を打つ 雨は その友だちの ナミダに 思えた。

きっと あて先の無い 手紙が 友だちに 届いたんだ って




ありがとう ぼくのこと 憶えて居てくれたんだね って

きっと いつか 会いに行くよ




そう 心の中で 友だちに言った

ますます 雨が強く降ってきた




だから

きょうは 傘をささないで うれしナミダの 雨に包まれて 帰ろう と 思った。。





作品を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
いつも応援ありがとうございます。


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追記
パソコンの調子が悪くて、何度も止まってしまいます。
せっかく書いたものが、途中で止まってしまって、消えてしまって、がっかり。

23日、疲れて途中、あまりにお腹が空いて、梅田で食事をして自宅に20時すこし過ぎに帰宅。
コメントが来ているのが分ったのに、返事を書く元気もなく、薬を飲んでそのまま寝ました。
睡眠不足と疲労が重なったようで、すこし風邪気味に。

24日初めての図書館に行って、本を借りてきました。行ける時間が今日ぐらいしか無かったので。
コメント、やっと返事を書けて、ホッと。
更新か?訪問か?迷って更新にしたら・・パソコンがまた止まる、詩が消えるの繰り返しで。。
本当がっかりです。その為に、訪問する時間がなくなってしまいました。どうもすいません。

木・金曜日は連休です。予定外の変更で良かったと喜んだら、土曜が出勤に、ため息です。
日曜日は休み、家でのんびりします。借りてきた本を読む事にします。楽しみです、9冊も。。
では、風邪薬を飲んで寝ます、皆さんも風邪には注意を。雫。

この作品で使用している写真はフリー画像素材「EyesPic」さまからお借りしています。
素敵な写真がいっぱいです、ぜひ訪問しくださいね。
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| 雫にサヨナラ |
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